2013年4月22日月曜日

笹口機業場さんを訪問しました!


越前市新堂町(旧今立郡今立町新堂)にある笹口機業場さんを訪問しました!

道すがら、鞍谷川沿いに並ぶお花畑に目を奪われ一枚パシャリ。
桜が終わっても、じゅうぶん楽しめるお散歩コースです。



川沿いに進んで、ちょっと細い道を入ると笹口機業場さんはあります。

笹口さんは着物の裏地になる羽二重を55年間織り続けておられます。
今回はお忙しい中とっても親切にご案内くださいました。

こちらでは、仕入れた絹糸にまずフノリを使って糊付けをします。



フノリとは今では健康食品として注目されている海藻ですが、
古くから織物に使う糊として使われていて「布糊」とも書くそうです。
このフノリを下の蝋と一緒に釜で煮て溶かし、糸を漬け込みます。




今では人工の糊でもう少し簡単にすることも可能だそうですが、
このフノリが羽二重の艶を一段も二段も美しくさせるのだそうです。

そうして糊付けされた糸は温度を管理されながら、じっくり乾燥させられます。
ストーブを使う時には焦げないように上の段を使います。



乾いたら今度は糸クリ。
昔ながらの機械がずらりと並び糸が巻かれていきます。
途中で切れることもあるので、奥様が手際よく手当されていました。


巻き終わると整経行程に入ります。
糸巻きが300個並ぶ姿は圧巻です。


蜘蛛の糸を思い起こさせるような神秘的な場面でした。(糸は多いですが。。)
この糸がくるくると巻き取られ、経糸として整えられます。


整経に使われるこの機械がほんとうに美しい!かっこよくてドキドキしました。
そして大きなロールに巻かれると、サイジングという最終作業に入ります。

目の非常に細かい櫛のような細長いプレートに、一本一本糸をすくい取って 通していきます。
それぞれの糸を密集させ、独立させることで、織るときに絡まりにくくなるそうです。

しかしながら、気が遠くなるような作業・・・
それでもご主人はこの方法を大切に続けておられます。

こうして丁寧に丁寧に糸が整えられて、ようやく織り出すことができます。


織りあがった羽二重の艶。
写真ではなかなかお伝えできないのが残念です。


絹織物の製造業というと、機械がひたすら織っているイメージでしたが、そこに行きつくまでの糸作りこそが要なのでした。

安価な輸入物が手に入る現在ですが、
笹口さんのように手間暇かけてこだわって作られた羽二重をとっておきの着物には使ってみたいものですね。

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